2016/01/31

Uto (Utö)

「オーパ!(文庫版)」、P107


もともとはBete社で売られてたスプーンですが、一時期はABU社が扱っていました。現在は、フィンランドのNils Master社がBeteブランドで売っているようです。ここのスプーンはカラーバリエーションが豊富で、オーパに掲載されているもの(BSF-01)もラインナップされています。懐かしいカラーも多く、見ているだけで楽しくなります。

私が在庫しているのはABU社が扱っていた年代のシルバー(S)。カラーとしては残念ながら無塗装ですが、スケールの彫りが深く、なかなかの存在感です。

ところでこのルアー、エビスのカタログでは「ウート」と記されていました。日本人の苦手なウムラウト(ö)の発音は別にしても「ウトー」のほうが近いような気がしていますが、いつか正確な発音を北欧のコレクターにでも尋ねてみたいと思います。

2016/01/30

Model A

 「もっと遠く!(文庫版 上)」、P3 イエローバック・シルバースケール
「もっと遠く!(文庫版 上)」、P4-5 シルバーシャッド、ホットタイガー
「もっと広く!(文庫版 上)」、P3 バイオレットバック・シルバースケール
「もっと広く!(文庫版 上)」、P205 オレンジコーチドッグ

南北両アメリカ大陸縦断の旅ではモデルAシリーズが活躍したようで、タックルボックスの中にたくさん入っているのを見ることができます。また、「オーパ、オーパ!!(コスタリカ篇)」でもロバロ(スヌーク)やグァポテを釣る場面で登場してきます。日本ではAシリーズ(モデルA、モデルAディープ)の各サイズがポピュラーで、廣済堂出版「ベストバッシング」の表紙にも掲載されていました。アメリカでは、サイズの大きい「ストライパーA」も販売されていたようです(上の紫のはストライパーAです)。


ミディアムランナータイプはリップがハート型で、この形状が障害物回避に一役買うという評判でした。愛好者は多く、当時のアルファベット戦争では「A」陣営はかなりの優勢だったはずです。ただ、私自身はどちらかというと「ON連盟」支持者でしたので、Aシリーズではあまりよい思いをした記憶がありません。ちなみにONは、ビッグO(コットンコーデル)、リトルN(ビルノーマン)のことです(王・長嶋ではありません)。

これもご多分に漏れず、古いタイプはお尻がヒートンです。それにしてもこのスケールカラーのデザイン、今見ても秀逸です。

2016/01/29

Musky Jitterbug

「もっと遠く!(文庫版 上)」、P4
「もっと広く!(文庫版 上)」、P3
「モンゴル大紀行(TBS 1986)」


「もっと遠く!」のはプラスチック製のイエロー。アムコ(両開き、品番不明)のトレイに収まらず、スケール(Lion製)やプライヤーと一緒に突っ込んであります。「もっと広く!」のもプラスチック製で、カラーはイエローコーチかと思い込んでいましたが、よく見るとパロット系です(ちょっとレアです)。また、「モンゴル大紀行」では、ウッドのイエローが登場してきます。きっと、マスキーやイトウ用だったのでは、と想像が膨らみます。

上の写真は、私のストックのうち主にウッドのもの。古い時代のものは塗装が丁寧で眼に迫力があります。プラスチックよりも重くて使いにくいので、むしろ観賞用のほうが多いです。

下の写真は、プラスチック製のマスキージッターバグ。こちらはよく使います。実釣用のは、フックを下向きにしたり、ダブルフックに付け替えたりしています。モールドの違いか製造後の変化か不明ですが、少し上反りのボディーをしたものが時々見付かります。何となく格好良いので、愛用しています。


一日中投げるには手首の負担が大きく骨が折れますが、まだ暗いうちや、一発大物狙いの時には、大爆発する可能性を秘めたルアーです。

2016/01/28

Diplomat 651

「オーパ!(文庫版)」、P91、119、138、46
「もっと遠く!(文庫版 上)」、P10
「もっと広く!(文庫版 上)」、P188、191
「もっと広く!(文庫版 下)」、P191
「オーパ、オーパ!! カリフォルニア・カナダ篇(文庫版)」、P327
「生物としての静物(文庫版)」、P124、210
その他、「開高健展パンフ(1999)」、などなど



ABU社の国際コンテスト(1969)の時にすでにディプロマット651で釣ったとありますので、最初期からのお気に入りのロッドであったことは間違いありません。本当にたくさんの場面で登場してきます。5000番台との組み合わせだけではなく、アブマチック(290他)をセットしてのシーンも多数あります。2ピースでルアーレンジも広いので、未知の釣り場でもこの竿と662があれば多くの場面で対応できたのだと想像します。

2016/01/27

Diplomat 662

「オーパ!(文庫版)」、P142、210、211、218、227
「もっと遠く!(文庫版 下)」、P143、148、156、161、200、205
「もっと広く!(文庫版 上)」、P11、
「もっと広く!(文庫版 下)」、P215、232
「オーパ、オーパ!! モンゴル・中国篇(文庫版)」、P44
その他、映像各種でもたびたび



コンテストの賞品として、ABU社から開高さんにディプロマット662とアンバサダー6000番のセットが贈呈されました。その後、大きな魚を対象とした釣りの場面で頻繁に出てきます。

個人的には、テルヒンツァガーン湖でのパイク釣りのシーン(モンゴル大紀行)の印象が強く残っています。あんな風にダブルハンドのロッドを使いこなしてみたいと思いましたが、当時の私のまわりの釣り場では、ダブルハンドルが必要とされたのはライギョ釣りくらいでした。それでもどうしてもダブルハンドで投げてみたくて、スピードスティックの6-16HOBBやらスーパーストライカー(ストライクではなく)のFL-59を入手し、グリップを替えて釣りに出掛けていました。

開高さんの一連のディプロマットは、南北両 アメリカ大陸縦断旅行の帰路アルゼンチン(ブエノスアイレス)の空港で盗難に逢い、すべて蒸発してしまったそうです。その後は、「新素材の他社の竿を使っ てみようと思い立った」と「生物としての静物」に記されており、1980年以降はフェンウィックが登場する場面が圧倒的に増えることとなります。

2016/01/26

Johnson's Silver Minnow

 「Basser (No.151)」、P36、38 などなど


後期のタックルボックス(プラノマグナム1162)に入っています。放っておくと銀の腐食(酸化)が進み、黒っぽくなってしまいます。開高さんのもすっかり変色が進んでしまっています。

シルバーミノー以外にも、ジョンソン・スプライト「ウィードレス」とも呼ばれることもありました。ウィードレスではない「ジョンソン・スプライト」はマス類に絶大な効果があったので、むしろスプライトのほうが有名かもしれません。開高さんのボックスにシルバーミノーがあるということは、普通のスプライトもきっと何個かはボックスの中に転がっていたに違いない、・・・などと想像を膨らますのも楽しいものです。

私が小学生の頃、友人とマス釣り場(管理釣り場)で競争をしたことがあります。友人のスプライトが大爆発。投げるたびにヒットです。一方の私は、残念ながらスプライトは持っておらず、慌ててシルバーミノー(ウィードレス)を結びました。同じようにニジマスが群れでアタックしてくるのですが、フックがフックだけに全く針掛かりせず(当たり前ですが)。仕方なしにアブのソネット(ゾネット)やトビーに替えて戦いましたが、完敗でした。

しばらく後のことですが、琵琶湖のウィードベッドを手早く攻めるのに流行った時期もありました。フックにはバーク社のスプリットテールイールを装着するのがお決まりのチューニング。 上の写真は、その頃に購入したものの残骸です。他のカラーも、いくつか持っていたはずです。腰を振る特有の動きは、今でも十分に魚を誘ってくれると思います。

 同じようなタイプですが、こちらはJonny O'Neilのウィードウィング。「オーパ!(文庫版)」、P175に掲載されています。

2016/01/25

Bang-O Spinner

「オーパ、オーパ!! カリフォルニア・カナダ篇 扁舟にて(豪華版)」、P174


池原ダムでの釣り。「トップ・ウォーター・プラグとバス」 とのキャプションで紹介されているのが、バグリーの「バンゴースピナー」。おそらく4インチのBSカラーです。ただ、本文には、「レッズというワーム一本槍で攻めた」とあるので、もしかすると、同行の浜松さん、または力丸さんの釣果かも知れません。

上の写真の手前のものは、同じカラー(BS)の5インチサイズです。スピナーテールバンゴーという呼び方もあるようですが、私が購入した頃はバンゴースピナーだったような気がします。


バンゴースピナーは、私も池原ダムやその他の紀伊山地のリザーバー、琵琶湖などでよく使いました。初めて手に入れたのは1980年代中頃で、確かミナミの「フィッシングサロン心斎橋」だったと思います。一階奥のガラスケースの上に、箱ごとたくさんのカラーが並べてありました。ホイル張りのタイガーカラー(F6G)を選んだのですが、しばらくして、友人のものとはテールの構造が違うのに気付いて驚きました。売れ残りを選んでしまったようで、真鍮製ワイヤーにボス付きのペラが付いた凝った造りになっていました。釣り場で二度びっくり。こちらのほうが圧倒的に釣れました。ホイルもアワビのような光沢で、特にクリアな水域では魚が湧いて出てきました。


ご多分に漏れず、このルアーもオールド品のほうが表情が豊かです。鼻先がシャープで、眼が手描きっぽくなっています。


とても魅力的なカラーのF6G。5インチサイズも探し続けていますが、ついぞ見付かりません。まあ、他のカラーでも十分によく釣れるのですが・・・。

2016/01/24

Chugger Spook L

「もっと広く!(文庫版(上))」、P3


開高さんの釣り紀行本では、ルアーの写真が頻繁に使用されています。どれも傷ひとつないルアーなので、装丁用写真のために用意されたものだと想像します。ただ、もしそうであっても、本に登場してくる以上は関心を向けない訳にはいけません。

Heddon #9540 Chugger Spook、日本ではチャガースプーク、チャガスプーク、チャッガースプークなどと呼ばれています。カラーはL(パーチ)。「もっと広く!」に登場するのは、縦割れ吹き目仕様の後期のものです。

 

年代別に並べると、手前側より、
2pcリグ(お歯黒)
ゴールドアイ(お歯黒)
ゴールドアイ
ホワイトアイ(ここまでが首割れモールドで、描き目)
縦割れモールド(吹き目)
ホワイトベリー、こんな感じでしょうか。

開高さんの実際の釣りの場面にはほとんど出てきませんが、本当によく釣れるルアーです。


2016/01/23

Hot Shot

「もっと遠く!(文庫版 下)」、P3
「Basser (No.151)」、P36


ルーハージェンセン社のダイビングプラグで各種サイズがあります。北米では人気のあるルアーらしいですが、日本ではあまり見掛けません。私自身のボックスにもいくつか入っていますが、いつ頃どうやって入手したのか、全く記憶がありません。

それにしても、テイルのスプリットリング、大きすぎますね。

2016/01/22

Fishing Hat

「オーパ、オーパ!! アラスカ篇 カリフォルニア・カナダ篇(文庫版)」、P218、219、222、317
「太陽(No.422 特集 開高健)」、P32、ほか


「生物としての静物(開高流アウトドア、砂糖キビの帽子)」に詳しく書かれていますが、釣り紀行や遠征時に撮影される膨大な数の写真整理の際の便宜を考え、州や国が変わるたびに帽子を取り替えて被ったそうです。

そのうち、カリフォルニア州でのストライパー、ブラックバス釣りの時の帽子には、足と掌のパッチ(ワッペン、アップリケ)が縫い付けられています。お嬢さん(故・開高道子さん)が縫ってくれたものとのことです。

私も帽子は大好きで、部屋中に何個となく転がっています。もう十数年以上のこととなりますが、とある手芸店でたまたま同じワッペンを見付け、これまた似たような帽子を入手し、自分で手縫いしてみました。開高さんゆかりのリールやルアーと一緒に並べてあります。

2016/01/21

Stetson

「生物としての静物」、P120~128


帽子の話は、「生物としての静物 開高流アウトドア、砂糖キビの帽子」が面白いです。ステットソンをはじめ、いろいろな帽子のことがかかれています。

ステットソン(Stetson)。言わずと知れたカーボーイハットやフェルトハットの老舗です。なかなか手が出せない範疇の帽子と思っていたのですが、実はカジュアルな製品も作っています。

青の帽子は、Retromの店主さんからプレゼントしていただたステットソンのカシミア100%のニット帽。カジュアルな製品と言えども手抜きがありません。何年間も愛用しています。


こちらの黄色いニット帽は、かなり以前にフィッシングサロン心斎橋の2Fで発掘した年代物。ステットソンではありませんが開高さんのニット帽に似ている(はず)と思って勇んで購入。ウキウキしながら帰宅したのですが、資料を見比べると上のボンボリが余分でした。それでもなかなか気に入っています。

2016/01/20

Tadpolly

「オーパ、オーパ!! モンゴル・中国篇 スリランカ篇(文庫版)」、P13、37、45ほか


私の得意なルアー (P45)」として紹介されているヘドン社のタドポリー。「モンゴル大紀行」にも登場し、パイクが立て続けに襲いかかっているのは上のFRBカラーです(サイズはおそらく #9006のマグナムタドポリー)。

1987年の再釣行前には、新宿「山水(サンスイ)」に依頼してマグナムサイズをアメリカから取り寄せたとの記述があります。その後、タドポリーに地リスの毛皮を被せたものが巨大なイトウを誘い出すことになります。「オーパ、オーパ!!」だけではなく、各種雑誌などでもよく紹介されているのでご存知の方も多いと思います。

で、そのルアーのカラーですが、リスの毛皮でルアー本体がほとんど見えません。ただ、タドポリーのリップに目玉のようなぼかしがあるのがわかります(最初期のタドポリーには、この部分に目玉そのものが描いてあるものもありました)。プラスチック製のタドポリーでリップに「ぼかし」が吹かれていたのは数種類だけです。 ということで、推定ですが、このカラーだと思われます。

カラーコードは「NFL」、アメリカでは「Bloody Mary」とも呼ばれているようです。
  

機会があればイトウ釣りに・・・と思ってタドポリーもたくさんストックしていますが、ずっとタックルボックスの肥料状態です。

2016/01/19

L&S Mirro Lure

「太陽(No.422 特集 開高健)」、P52、61


日本でも一部の釣り人には絶大な人気を誇るL&S社製のミロルアー。このうち、金属リップの付いたミノータイプ、しかもマグナムサイズのもの(カラーはRH)が開高さんのボックスに入れられています。近くに並べてあるハイローから想像するに、1ozはありそうなサイズです。北米地域のサケ・マス用に用意されていたものでしょうか。

上の写真のものは、同じルアーですが「極小」サイズです。渓流で何尾か釣った覚えがあります。シンキングタイプで飛距離が稼げるため、一時期はよく使っていました。今見ると、それなりに可愛い顔付きです。

2016/01/18

Toby Vass (Weedless)

「オーパ!(文庫版)」、P203
「フィッシュ・オン(豪華版)」、グラビアページ  
ルアーはよく磨いて (アラスカ・ナクネク川)
 


「フィッシュ・オン」は、豪華版と文庫版とでは掲載されている写真にかなり違いがあります。「週刊朝日」掲載後に書籍化する際、編集上の都合でいろいろと取捨選択があったのでしょう。もちろん、読んでいて楽しみが多いのは豪華版のほうです。なかなか入手困難ですが、入手の価値がある一冊です。

豪華版を開いてすぐのページに、開高さんが布の切れ端のようなものでトビーウィードレスを磨いて光沢を出している写真が掲載されています。障害物が多い場所だったのか、それともシングル・フックの現地レギュレーションをクリアするためか、通常版のトビーではなくウィードレスタイプなのが印象深い写真です。
 
さて、「トビーウィードレス」が正式な名前とばかり思っていましたが、本名はトビーバス(ヴァス)のようですね。ウィードガードにわざわざヘアが取り付けられており、これまた凝った造りです。フックは、わざわざカシメ(ハトメ)で取り付けられています。他ブランドを見回しても、細身のスプーンのウィードレスタイプは珍しいと思います。

「フィッシュ・オン」にはトビーがモチーフとしてたびたび登場してきますが、トビーと一口に言っても、歴史の長いルアーだけにバリエーションが豊富です。製造開始は1955年頃とされており、フライ、チャー、スマッシュ、ファット、スリム、サーモ、タイガー、ロケット、などなどの種類が販売されていました。こちらに詳しく紹介されています。ノベルティーとして宝石(ルビー?)の目玉が付いた金・銀のトビーがあり、、以前にデンマークのコレクターに写真を見せて貰ったことがあります(上のリンク先でも紹介されています)。いつかは手に入れてみたい一品です。

2016/01/17

Blabber Mouth

「フィッシュ・オン(豪華版)」、目次ページ 


「フィッシュ・オン」の目次ページの写真には、なぜかグデブロ社のゴールデンアイシリーズのルアーがたくさん掲載されています。銀山湖でも大活躍した「バンプNグラインド」や小型のポッパー「グッディー」、そして、ブラバーマウスにいたっては2個も写っています。このルアーには、スカート付き、スカートなし、プロップ付きなどのバリエーションがありますが、「フィッシュ・オン」に載っているのはいずれもスカート付きです。 

国内ではスミス社が取り扱っていたこともあってとても人気が高かったルアーですが、ボディーサイズがやや小さく、トップウォータープラグとしては少し使い辛かった気がします。釣果や実績云々よりも、目玉にパンチ力があったので、まとめて「フィッシュ・オン」に取り上げられたのかもしれませんね。

 こちらのメタルリップダイバーは、同社の Bump'N' Grind。「フィッシュ・オン(文庫版)」P286-287に写真が掲載されています。

2016/01/16

Barbour Carry-all

「生物としての静物(文庫版)」、P151
「サライ(2005年9号)」、P43
「私の開高健(細川布久子)」、 その他、記念館や展示会でも頻繁に紹介されています。お守りが結びつけてあるアレです。



商品名は、バブアー(リッズデイル社またはリッズデイルブランド)のキャリオール(トートバッグ)。1990年頃のサンスイのカタログにも、ハーディー社のバッグと並んで同じものが登場しています。

開高さんの没後にアチコチと探してみたのですが、同じものはもうどこにも売っておらず、仕方なしにバブアーの後継品(写真)をイギリスから取り寄せました。この後継品は、内部や開口部の造りが少し違っています。チェック柄の内張りはなかなかの細工振りですが、自立しないので少々使い辛いところがあります。使い込んで生地や革にヤレ感が出てきて、よい具合にはなってきましたが。

ワッペン(パッチ)は手持ちの釣り関係のものを置いてみました。タックルメーカーばかりだとどうも野暮ったいままで雰囲気が出ませんね。フリントストーン、ヨセミテサム、グーフィー、ポパイ、ミッキーあたりの可愛げなキャラクターものや、アラスカなどのご当地ものを入れないと。もう少し集まってきたら縫い付けたいと思っています。

2016/01/15

Garcia Frog

「オーパ!(文庫版)」、P87
ルアーが噛み切られた。

 

ガルシアのライブリールアーシリーズの雄、ガルシアフロッグ。すこぶる柔らかい軟質プラスチック製なので、結構簡単に噛み切られたり千切れたりしてしまいます。「オーパ!(文庫版)」の表紙のような鋭い歯を持つ魚(ピラーニャ)にガブリとやられてしまうと、ひとたまりもありませんね。きっと、読者を楽しませるために、脚がなくなるのを承知で投げてみたのだと思います。

私自身の釣りでも、フロッグルアーはライギョ釣りによく使いました。「ウルトラフロッグ」や「かへるクン」は気兼ねなく使える価格帯でしたが、舶来品の「スナッグプルーフ」や「スーパーフロッグ」は購入に踏ん切りが必要な値打ちモノ。ガルシアフロッグはさらに値の張る高級ルアーで、ライギョに脚を噛み切られたりすると、それこそ泣きたくなりました。

フロッグのほかにも、ネズミやウナギなど、リアリスティックなベイトシリーズがあり、いずれも見掛けだけではなく、実用性の高い素晴らしいルアーです(ガルシアのカタログでは、Natural Replica Series と紹介されています)。また、パッケージのデザインがとても格好良く、裏面のイラスト付きの解説も釣り人を魅了するものでした。



ひとつだけ欠点を上げるとすれば、上向きに付いたフック。フックポイントがアイの方向からズレていて、よく魚に逃げられます・・・。

2016/01/14

Toby 10g

「フィッシュ・オン(文庫版)」、P46
トビーの十グラムを投げて、三時間めに六十五センチのニジマスをあげた。


古いトビーは鱗の彫りが深く、存在感があります。開高さんがニジマスを釣り上げたトビーのカラーは分かりませんが、何となく「K(銅色)」のような気がします。同書のパイクの写真(こちらは18g)の強いイメージが頭の中に刷り込まれているからかも知れませんが。

ちなみに、トビーの10gと7gとは、サイズは同じで肉厚違いです。投げると、10gのほうは弾丸のように飛んでいきます。

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さて、開高さんのニジマスの釣果は、ABU社の国際フィッシングコンテスト1969の結果として1970年版カタログにも掲載されています。各国語版で出版されたABU社のうち、これは英語版(Tight Lines)からの抜粋。イギリスの古書店から入手しました。


翌年のカタログ(1971)には、同年のコンテストのアナウンスと併せて、御大本人の写真も。「フィッシュ・オン」と同じものです(文庫版P90-91)。短編小説「貝塚をつくる」でも、モチーフとして使われています。